食材をできる限り活かし切る

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食材をできる限り活かし切る

フードコーディネーター 長尾 智子
取材・文:藤井志織
写真:福尾美雪
フードコーディネーター
長尾 智子
フードコーディネーター。書籍や雑誌のほか、食品や器の商品開発も手掛けている。オリジナルの器や調味料、セレクトした雑貨などを扱うオンラインショップ「SOUPs」を運営。著書多数。近著に『料理の時間』(朝日新聞出版)がある。

前回、ひよころ鶏園のシャポンを使って、野菜の煮込みと、希少部位のコンフィを提案してくれた料理家の長尾智子さん。

長尾
「鶏肉の料理の仕上がりは、本当に素材の持つ力次第。出るアクの量も、質によって変わるくらい。上質な餌で自然の中でのびのびと育てたひよころ鶏園のシャポンは、それが素直に伝わってくる。その良さを余すことなく活かしたいですよね」

そこで今回は、鶏肉から出るだしを使った料理をいくつか提案してくれた。

長尾
「大きな寸胴鍋をお持ちの方は、丸ごと一羽を買ってガラやもみじを煮込んで鶏スープを取るのもいいですが、ちょっと大がかりですよね。手軽に取るなら身からでも十分。身や手羽先などを野菜くずと一緒に煮ることで、おいしいスープが手に入ります。 野菜くずと言っても、野菜は皮の近くが栄養があっておいしい部分。化学肥料や農薬をなるべく使わずに育てられた野菜であれば皮ごと食べられるので、だしを取って無駄なくいただきましょう」

まずは鶏のスープの取り方から。

長尾
「鶏肉は骨付きや皮付きなど、いくつかの部位が混ざっているといいですね。にんじんや玉ねぎの皮、しょうがのスライスからもいいだしが出ます。プレーンな風味なので、和にも洋にも使いやすい。これに八方だしを合わせた和風のスープもおすすめです。 もし、もっと洋に振るなら、パセリの茎やセロリの葉などを加えてもいいし、長ねぎの青いところやパクチーの根っこ、じゃがいもの皮などを加えるのもおすすめです。皮だけでなく、野菜を丸ごと入れると野菜の風味が強くなりますが、ポトフのように野菜も食べられるのでお好みで」

作り方は簡単。鶏肉に塩を振ってから、水でコトコトと煮るだけ。

長尾
「このスープで汁ものやリゾットも作れるし、ご飯を炊いてもおいしい。ペーストのように柔らかくなったにんにくは、スープの具材をいただくときの調味料としても役立ちますよ」

今回は鶏スープの取り方と、そのスープを使ったシンプルな料理を4品ご紹介。

Recipe 01

鶏スープさえあれば
安心感が違います

鶏スープ

野菜からでるだしと色のおかげで、見た目も香りも本格的。このスープで、リゾットやスープも手軽にでき上がる。

おいしいコメント
「澄んだ鶏スープがあったら何にでも使えて嬉しい。野菜の組み合わせで和にも洋にも合わせれるのは万能ですね!」(相馬)
長尾
「仕上げにレモン汁とオリーブオイルを加えるだけでもおいしいの。時間があるときに取っておけば、しばらく助かること間違いなし」
01 / 03
鶏肉の分量の2%の塩を振る。表面の塩が溶ければ使えるが、一晩置くとさらにおいしい。
鶏肉の表面の水分を軽く拭き取り、鍋に入れてかぶるくらいの水を注ぐ。蓋をして火にかけ、沸いたら蓋を取って弱火にする。
鶏肉が常に水に浸っているように水を適宜足しながら、1時間ほど煮る。アクが出たらすくい取る。
Recipe 02

鶏スープの旨みを存分に吸い込んだご飯

鶏スープの炊き込みご飯

鶏スープを少し薄めてお米を炊き、炊き上がりに、この季節においしい万願寺唐辛子を刻んで加えて蒸らす。青い香りが広がって、幸せの味。

おいしいコメント
「万願寺とうがらしのような、苦味や酸味を持つ野菜が加わると、味の広がりが出る。素材の掛け合わせで無限に広がる炊き込みご飯!」(相馬)
長尾
「一緒に煮た鶏肉をほぐしたり、生姜を千切りにしたりして、ご飯の上にのせていただきましょう。食べられるものは無駄にしたくないですからね」
01 / 03
万願寺とうがらしをヘタを取り、種ごと刻む。
土鍋に米を入れ、鶏スープと水を加えて774gにする。強火にかけ、全体が均一に沸いたらすぐに蓋をして、極弱火にする。10分炊く。
火を止め、蓋を開けて2を加えてさっと混ぜ、また蓋をして10分蒸らす。器に盛り、粉山椒を振る。
Recipe 03

鶏スープ+八方だしで味が簡単に決まる

ひらたけとわかめの鶏スープ

味に奥行きを出すために、昆布や鰹節、いりこ、醤油などでできている八方だしをプラスして。

おいしいコメント
「きのこや海藻ってじわりと風味やコクが出てきますね。秋はいろんなきのこを試したくなります!」(相馬)
長尾
「具材は、すぐに火が通るきのこ類や海藻がおすすめ。ボリュームが欲しいときは、豆腐や厚揚げなどの大豆製品を加えれば、タンパク質も補えますよ」
01 / 02
ひらたけと生わかめは食べやすい大きさに切る。
鍋に鶏スープと鶏肉、煮凝り、八方だしを入れ、火にかける。沸いたら1を加えて、軽く煮る。
Recipe 04

卵のとろみと鶏スープのコクに満足度100%

鶏スープの卵リゾット

スープとご飯を合わせてさっと温めるだけなので、さらりと食べられるリゾット。簡単な和えものや汁ものを加えれば、大満足の献立に。

おいしいコメント
「鶏スープを置いとけば、いつでも簡単リゾットができる!油もバターに限らず、風味のあるエゴマ油とかも試してみたくなります!」(相馬)
長尾
「残っていた冷やご飯でも作れます。バターの代わりにオリーブオイルにすれば、軽やかな味に。ベーコンやブルーチーズ、ブロッコリー、トマトなどを加えてもおいしいですよ」
01 / 02
深さのあるフライパンに鶏スープ、ご飯、バターを入れて火にかける。
沸いたら火から下ろし、卵を加えてすぐにかき混ぜる。チーズを加えてカンボットペッパーを潰してかける。

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